高額年俸で大損!?巨人ゲレーロ、現在の成績は?1番ゲレーロとは何だったのか
ゲレーロは激怒した。
1番ゲレーロという不慣れな打順で起用され、打席に立てば凡退し、守備に出れば重信とぶつかる。
東京ドーム、大観衆の前でゲレーロはグラブを地面に叩きつけた。やってられるか!
いや、激怒したいのはこっちだよ!!!!
先日の横浜DeNA戦では、FA加入の大和に打たれ、元巨人のロペスに打たれ、新助っ人ソトに打たれ、ルーキー東にあわや完全試合のスーパーピッチングで抑えられた。
なんていうかもう絶望的。同じ3位争いをするチームのはずなのに、新戦力の活躍という点では天と地ほどの巨人とDeNA。
その原因をゲレーロ一人に押し付けるのも酷な話かもしれないが、ともかく、昨年のホームラン王として鳴り物入りで入団したゲレーロの現在の成績はどうなのか?これでいいのか?
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ゲレーロ、現在の成績は?年俸に見合うのか?
昨年、中日ドラゴンズで35本のホームランを放ち、ホームラン王のタイトルを獲得。
にも拘わらず、オフの契約交渉では決裂。そのまま巨人への入団が決定した。
その経緯から、ゲレーロに何か問題があるのでは?という声も上がっていたが……
現在の成績は?
77試合出場して、打率.247、打点39、ホームラン15本という状況である。
一時、調整のため2軍落ちしていたので出場試合数も少ない。
正直、巨人がゲレーロに求めていた成績とは程遠い。
今年は、岡本和真の覚醒でなんとか貧打を脱出したが、これはいい意味の想定外の事態であり、本来は巨人の四番候補の筆頭はゲレーロだったのだ。それがこの成績では……もし、岡本の飛躍がなければと思うとぞっとする話だ。
年俸2年8億円の価値はあるのか?
ゲレーロは、2年8億円の大型契約だ。
昨年退団した、メジャー122発男、ギャレット・ジョーンズが単年3億、昨年復帰のマギーが、1億9千万(現在2億6千万)での契約だったことを鑑みるに、昨年Bクラスのチームとしては破格の年俸を貰っていると言える。
そのギャレットですら、2016年には規定打席に到達し、24本塁打を放つという結果を残しながら、翌年には1億6千万円まで減らされている。
(もっとも、ギャレットは打つ以上に守備が下手すぎたというのもあるが、それはメジャー時代からわかりきっていたことなので、そもそもセリーグに来たのが間違いだったのかもしれない)
これが2年契約なわけだから、年俸を減らすというわけにもいかない。
このままの成績では、はっきり云って巨人は大損だ。
逆に、金銭面で揉めたであろう中日は、ゲレーロを放出したことはかえって良かったのかもしれない。
ビシエドは調子いいし、アルモンテも文句なしの活躍のようだ。本当に中日は助っ人外国人の取扱いが上手いなぁと感心させられる。
人間性に問題あり?実は真面目で紳士的?
ゲレーロと言えば、入団前からその人間性に問題があるのでは?と言われいた。実際はどうだろう。
開幕前に発刊されたジャイアンツ2018によれば、“練習に取り組む姿勢もまじめで、周囲に好影響を与えそう”と書かれている。
しかし、シーズン半ば、2軍に落ちた際は、高橋由伸監督からの面談を拒否するなど、大丈夫か?と思わせる一面も。
ゲレーロは、キューバ出身だが、キューバを亡命した選手だ。
亡命という非合法な手段を使っているというだけで、ちょっとヤバイんじゃないの?と思ってしまうものだが、実はキューバを亡命した野球選手は多い。現在のNPBでは、中日のビシエドもキューバ亡命選手だ。
それだけで、悪い奴、と決めつけるのはよくないが、かなりの重刑のリスクを負って、祖国を捨てて海を渡る覚悟を持っているというのは尋常ではない。僕たちには想像もできないほど命がけの行動だろう。
そういう壮絶な過去を背負っているだけに、悪い奴ではないにしろ、普通の奴ではない。
そして、ゲレーロは左耳を欠損しているのだが、これはマイナーリーグ時代にチームメイトと試合中のプレーについて大喧嘩になり、その末、耳を噛みちぎられてしまったというのだ。
これまた壮絶すぎる……やられた側とは云え、それほどの大喧嘩を起こすのはちょっと普通じゃない。
あのヤクルト戦で見せた、グローブを地面に叩きつけるという蛮行を見るからに、日本人的に見れば、とても素行がいいとは言えないだろう。
(私事だが、僕も小さいころにグローブを雑に扱って、父親に激怒されたことがある。野球道具は大切にしろというのは、日本で野球をやる人間なら誰しも口酸っぱく、小さいころから言われるものだろう。そういう環境で育った僕のような人間からすれば、ゲレーロのあの行為は、本当に残念で、残念で仕方がなかった)
1番ゲレーロは正解だったのか?
さて、ここからはゲレーロの起用法について少し考えてみようと思う。
開幕当初は4番を期待されていたゲレーロだったが、いまは様々な打順で起用されている。
その中でも奇策と映った1番ゲレーロ。その使い方は正しかったのだろうか?
得点圏打率が低い?1番ゲレーロを押す声
ゲレーロは1番か2番を打たせたほうがいい。
という声は、実は開幕当初から上がっていた。
なんと、昨年の35本のうち、22本がソロホームランというソロアーティストぶり。
ランナーがいると力むから良くないのだそうだ。巨人OB篠塚氏もラジオで「ゲレーロは1,2番を打たせるべきだ」と言っていたらしい。
実際、今シーズンも15本のホームランのうち、なんと11本がソロホームランだ。
しかも得点圏打率は.198と悲惨な数字になっている。中井の打率よりはいいが……
たしかに、最近は2番に比較的、強打者(ホームランバッターとは限らないが)を配置するという試みをするチームも増えてきている。日ハムの大田、西武では秋山を2番を置くこともあった。DeNAは宮崎、ヤクルトは青木と言った具合だ。
しかし、上に挙げた選手たちは、足が速かったり、打率が3割近いなど、パワー以外にも強みがある。
ゲレーロの場合はそれがない。果たして大丈夫なのだろうか。
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実際に1番でゲレーロを使ってみたら……
そしてついに、満を持して1番ゲレーロが誕生する。
9月12日と13日のヤクルト戦、2試合でゲレーロは1番スタメン。
結果は、0安打。
やっぱり駄目だった。実際に見ていてもまったく打ちそうな気配がなかった。
結局、パワプロのようにチャンスに弱いから、1番にしとけば打てるだろみたいに単純な話じゃなかった。
先日、ラジオで里崎智也氏が言っていたが、やはり選手は自分の打ちたい打順というものがあるそうだ。
自分にハマってるな、と思える打順ではより能力を発揮できるものなのかもしれない。
ゲレーロはあくまでクリナップで力を発揮できるが、ランナーがいると上手く打てない。というタイプなのだろう。
坂本は1番が気楽でいいのかもしれないし、清原のように4番だと燃えるというタイプもいるだろう。僕自身も草野球だが、クリンナップを任されると自然と力が沸いてくるが、下位打線だとあまり熱が入らないというのを実感している。
ちなみに、里崎氏が打ちたい打順は5,6番だそうだ。
理由は、上位打線が出塁してチャンスになりやすく、打点が稼ぎやすいから。(ノーアウトもしくは1アウト)ランナー3塁だと外野フライを打つだけで打点になるから最高。などと言っていた。
じゃあ4番じゃダメなのか?という問いに対しては、4番は責任が重すぎるから嫌だ、とのこと笑
得点圏打率とかそういう以前に、選手には適正な打順があるということだろう。
まとめ
やはり、2年8億円の選手としては物足りないというか全然見合ってないゲレーロ。
苦肉の策、1番ゲレーロも不発に終わり、もはや成す術なしなのか。
たとえ、成績が悪くても愛される選手というのはいるものだ。セペダさんとかロマックとか……
しかし、ゲレーロにはそういった愛される要素も皆無に感じられる。
そうなったらどうするか、それはもう、結果を残すしかないのだ。
故郷を捨て、海を渡り、野球だけを生きる術に戦っている男。一般人からしたら、それは壮絶で異常な生き様だと感じられる。
ゲレーロとの契約は、来年も残っている。
どうか、再び本塁打王に輝くような活躍で、ただ無責任に批判するファンである僕たちを黙らせてほしいものだ。